「働き方」と「人生の幸福度」について考える

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無印良品さんとYADOKARIで「小さな住まい」の可能性について連載してきた特集コラム。

先日「小さな住まい」に関する大規模なアンケートを実施しました(回答数 12,530人)。
これからの生き方の輪郭が少しずつ見えてきました。

アンケートの集計結果のなかで際立っていたのは、収入や職場など仕事や働き方についてでした。住まい方への問い以前に「仕事の環境(勤務形態、通勤、収入など)」への葛藤や問題が見え隠れしていました。ストレスのない豊かな暮らしは「住まい環境」と「仕事の環境」のバランスが大事(当たり前ですが)。そのバランスに皆さん葛藤している感じを受け、いい選択肢は未だない感じもデータから受け取れました。

住まいと合わせて「仕事の環境」をどのようにアップデートすれば豊かな暮らしに近づくのか?

昨今インターネット環境の発達で、拠点・職種・雇用形態などの働き方は多様化が進み、終身雇用にて定年まで勤め上げるというワークススタイルも過去のものとなりつつあります。

横断的に企業や組織に属しながら働くパラレルキャリアやポートフォリオワーキング、オフィスや拠点を持たないノマドやフリーランサー、また高齢者人口の増加に伴い、60歳以降の働き方も大きなマーケットや“生きがい”となってくることでしょう。

前職で役員を務めていたWeb会社では「出社義務無し、副業OK、3年で独立」などの制度を2006年頃から取り入れ、かなり早い段階から働き方改革を実際に実験してきました。

10年間で60人近いメンバーの様々な働き方の様子を近くでみさせてもらいましたが、メンバーの中には、起業家になる者、国境を越え海外に移住する者、雑貨屋を兼業する者、個展や作品制作、執筆活動に邁進する者、家族の時間や住む環境を最優先する者など、いくつもの顔を持っているメンバーが多数在籍しては独立していきました。

これだけ聞くとやりたいことをやって自由に生きているような印象を受けますが、実際は「自己管理の難しさ」や「評価軸が数字や目に見える納品物になり、コミュニケーション能力や人格などはあまり評価されない」など成果主義の色も強くなっていきました。

環境が個人に委ねられ自由になる分、仕事の評価はシビアになるので自己管理や自己改善、主体的なインプット&アウトプットが出来ないとドロップアウトしてしまうメンバーも多く(特に20~30代の若いメンバー)、半数はまた大手企業に戻って行きました。

また「やりたいことを仕事にしよう!」と肩肘をはると、、、

「実は大してやりたいことなんてなかった」
「やりたいことって時間とともに変わっていくものだ」

という悩みに直面する人が大半でした。それを仕事や職種などに無理に結びつけようとすることに違和感を感じる人もいて、やりたいことや幸せは「多面的である」ことも教えてもらいました。

大事なのは独立することや、複数の仕事や活動をすること、やりたい仕事を探すなどの表層的な話ではなく、

「自分でコントロールできる時間を増やし、内側から湧いてくる好奇心を育んでいく努力を惜しまないこと」

「どんなメンバーと一緒に、どんな時間を共有していきたいのか」

なんだろうと感じています。仕事のスタイルや職場環境は人それぞれに合う形が様々あると感じています。

もちろん働き方や組織のあり方は、ITインフラの発達により、今後もっと選択肢が増えていき、ダイバーシティ的な可能性を肯定的に取り入れていける柔軟性が、個人にも企業にも問われていく時代となっていくとは思いますが、個人レベルでは、もっと「シンプルな問い」なんだろうなと感じています。

人生の大半を占める“働く時間”を自分なりにチューニングし続ける。人生の幸福度は大きく変わってくるはず。

▼ 「小さな住まい」連載コラム

https://house.muji.com/life/small-life/

▼ 「小さな住まい」についてアンケート結果
https://house.muji.com/life/survey/survey04/4_04a/